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April 2025

2025.04.29

アメリカ人事 | 日系企業とるべき3つのアクションとは?Progressiveが2025年に12,000を採用へ

アメリカ人事 | 日系企業とるべき3つのアクションとは?Progressiveが2025年に12,000を採用へ


Progressive plans to hire 12,000 employees in 2025
https://www.propertycasualty360.com/2025/04/29/progressive-plans-to-hire-12000-employees-in-2025/?kw=Progressive%20plans%20to%20hire%2012,000%20employees%20in%202025&utm_source=email&utm_medium=enl&utm_campaign=newsroomupdate&utm_content=20250429&utm_term=pc360&oly_enc_id=1450C8995923H0V&user_id=6f6e182087af8c2ae0626d1092a5495981117adfefb31bd8a0aa1f569406738f

1. 保険料高騰への備えと見直し

Progressiveの契約増・保険料収入増(21%増)から、市場全体でも保険料の高騰補償内容の変化が進んでいる可能性があります。
→ 日系企業は、2025年度の商業保険(損害保険、労災、EPLI等)契約を見直し、必要に応じてブローカーとの交渉や競合見積取得を検討すべきです。


2. 優秀な人材の流出リスクへの対応

Progressiveが12,000人を採用し、リモート/ハイブリッド勤務を推進している点から、柔軟な働き方を提供できない企業は人材流出のリスクがあります。
→ 日系企業も勤務形態の柔軟性(在宅勤務、時差勤務など)を再評価し、他社との競争力を保つ必要があります。


3. 顧客・パートナー企業の業務変化を把握

Progressiveの成長は、多くの取引先(自動車販売業、小売、建設業など)のリスク管理や保険ニーズの変化を示唆しています。
→ BtoBビジネスを展開する日系企業は、顧客企業の業界動向をモニターし、保険関連サービスやサポート体制の強化を検討すべきです。

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2025.04.25

アメリカ人事| Uberの自動車保険情勢を受け、ビジネスオーナーが取るべき対策

アメリカ人事| Uberの自動車保険情勢を受け、ビジネスオーナーが取るべき対策


 2025年4月25日のニュースで、Uberが複数州で事業用自動車保険の規制改革を求める廣告キャンペーンを開始したことが伝えられた。

▼Uber has its eye on commercial auto insurance reform
https://www.propertycasualty360.com/2025/04/25/uber-has-its-eye-on-commercial-auto-insurance-reform/?kw=Uber%20has%20its%20eye%20on%20commercial%20auto%20insurance%20reform&utm_source=email&utm_medium=enl&utm_campaign=newsroomupdate&utm_content=20250425&utm_term=pc360&oly_enc_id=1450C8995923H0V&user_id=6f6e182087af8c2ae0626d1092a5495981117adfefb31bd8a0aa1f569406738f

 

通常の個人車の責任保険は$30,000程度なのに対し、Uberや交通ネットワーク企業(TNC)には$1,000,000という大きな保険要件が設けられることが多い。

これは企業側に大きな財政負担を起こし、結果として事業コストの増加に。

この動きから、他のビジネスオーナーも必要な対策を検討するべき時期に来ていると言える。


【これから注意すべきこと】

1) 自社の保険リスクをチェック さらに保険要件が変わったら実際にどのぐらい財政負担が増えるのか?をシミュレーションしておく。

2) 事業コストに保険費用負担増が影響を与えない組織作り
例えば、自社で車を持たず、委託に切り替えるなど。その際にも「保険の最低要件」を定め、緊縮にチェックする。

3) 価格改定やサービス費課金の説明準備 保険負担増は一部をサービス料に反映せざるを得ない場合もある。その場合は、法律対応によるものであることを明確にし、理解を得る。

4) 州別の保険要件の変更を緊密チェック 特に、カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツ、テキサスなどは要注意だ。


 Uberの動きは、これから自動車を利用する事業における保険負担リスクが高まり続けるというサインだと言える。

たとえ現状で大きな問題がなくても、「先手の一手」をっておくことで、未来のダメージを最小限に抑えられる。

今こそ準備して、ゆとりをもってビジネスを進めよう。

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2025.04.22

アメリカ人事|なぜTESLAは儲かっていないのか?

アメリカ人事|なぜTESLAは儲かっていないのか?

経営者の悩みの75%は「お金」と「人」の問題だと言われている。
アメリカ人事では、ビジョンを達成するための人材戦略と、持続可能なキャッシュフローを両立させることが成功のカギである。

今回は、EV業界の象徴ともいえるTESLA(テスラ)が、なぜ株式市場での存在感に反して「儲かっていない」と言われるのか。その構造的課題に迫る。


【TESLAとはどんな会社か?】
TESLA(テスラ・モーターズ)は2003年創業の電気自動車(EV)メーカーである。CEOイーロン・マスク氏のもと、「世界を持続可能なエネルギーに移行させる」というミッションを掲げてきた。
主力製品はModel 3、Model YなどのEVに加え、ソーラー、蓄電池、AI開発にも事業領域を広げている。

2020年以降のEVブームと株式分割によって、時価総額が一時1兆ドルに達するなど、破格の評価を受けてきた。


【2025年第1四半期の業績ハイライト】

  • 売上高(Revenue): 213億ドル(前年同期比9%減)
    → 値下げにより販売台数は増加したものの、売上は減少。

  • 粗利益(Gross Profit): 約39億ドル(粗利益率約18.3%)
    → 昨年同時期の粗利益率は19.3%であり、利益率がさらに低下。

  • 営業利益(Operating Profit): 約11億ドル(営業利益率約5.2%)
    → 営業利益率は前年同期の11.4%から大幅に減少。

  • 純利益(Net Income): 約11億ドル(純利益率約5.2%)
    → フリーキャッシュフローは約4.4億ドルで、前年同期の約22億ドルから大きく縮小。

出所:https://www.appeconomyinsights.com/p/tesla-the-great-slump

これらの数値からも明らかなように、TESLAの2025年第1四半期は、売上・利益率・キャッシュフローのすべてで苦戦を強いられている。


【TESLAの「儲からない」構造的要因】

① 利益を犠牲にした価格競争戦略
TESLAは2023年以降、主力車種の大幅な値下げを実施してきた。Model Yは一部市場で30%以上値下げされ、価格競争に拍車がかかっている。
販売台数は維持しているものの、1台あたりの利益が急減しており、粗利益率の低下に直結している。

② 中国市場への依存とリスク
TESLAの売上の約30%を占める中国市場では、BYDなどのローカル競合が攻勢を強めており、価格競争が激化している。
加えて、米中対立やEV補助金政策の変化により、TESLAの収益構造には地政学的リスクが常に付きまとう。

③ Cybertruckの量産課題と固定費の圧迫
話題の新型車Cybertruckは、2024年にようやく出荷が始まったが、量産には依然として課題が残っている。
TESLAのイノベーション志向は魅力であるが、開発費や設備投資といった先行コストが利益を大きく圧迫している。

④ 自動運転やAI事業の未収益化
TESLAは自社開発のAIチップ「Dojo」や完全自動運転(FSD)に巨額の投資を続けているが、これらの事業は現時点では収益に結びついていない。
技術的先進性をアピールする一方で、「今、利益を出す」構造には至っていない。


【人的資源と組織文化の課題】

TESLAは長年、広告に頼らず製品力のみで成長してきた企業である。しかしその裏では、過酷な労働環境や高離職率が指摘されてきた。
マスク氏の強いリーダーシップによるスピード感ある経営は革新をもたらしたが、従業員のモチベーションや定着性の面では課題が残る。

近年は労働組合活動の活発化や、職場の安全衛生に関する批判も増加しており、企業文化や人事制度の見直しが急務となっている。


【まとめ:TESLAが「儲かる会社」に転換するために】

TESLAは、世界を変えるイノベーション企業として確固たる地位を築いてきた。しかし、「儲かる会社」であるかと問われれば、答えは否である。

  • 高成長の裏で価格引き下げに依存した薄利体質

  • 巨額の先行投資と量産課題による固定費の圧迫

  • 人事制度と組織マネジメントの未成熟

これらの構造的課題を克服するには、技術開発だけではなく、利益が出る仕組みづくりと、持続可能な人材戦略の再構築が求められる。
アメリカ人事の視点から見ると、「未来を描く会社」が「今、利益を生む会社」に進化するためには、人事制度の最適化が成否を分けるカギとなる。


出所:https://www.appeconomyinsights.com/p/tesla-the-great-slump?img=https%3A%2F%2Fsubstack-post-media.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2Fbef936e6-3efa-43b3-88d7-7ec620cdb33b_2744x1539.png&open=false




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2025.04.21

アメリカ人事 | アメリカの日系企業に問われるDEIの再設計

アメリカ人事 | アメリカの日系企業に問われるDEIの再設計

~インド企業の地に足の着いた改革に学ぶ~

アメリカにおけるDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)政策が政治的緊張を帯びる中、日系企業はこれまで以上に戦略的なスタンスを求められている。トランプ大統領が2025年に発した大統領令により、連邦政府関連企業におけるDEI施策の禁止が明文化され、大手企業の間でもDEIプログラムの見直しが相次いでいる。

このような逆風の中で、DEIにどう向き合うべきか。そのヒントは、アメリカではなく、インド企業の変革にこそ見出せる。

インド企業が見せた“目的志向”のDEI

米SHRMが報じたところによれば、インドではここ10年で「チェックリスト型DEI」から「文化として根付いたDEI」へと進化を遂げている。特筆すべきは、女性の復職支援、LGBTQ+や障がい者へのインターン機会提供、宗教や出自を問わない採用方針、そして管理職へのインクルージョン教育など、制度ではなく現場の意識と文化の変革に主眼が置かれている点である。

企業の目的が「良い人材を活かす」ことにある以上、その前提として、多様な人材が安心して能力を発揮できる環境を整えるのは、当然の経営課題である。インド企業は、これを“政治色のない実務”として冷静に取り組んでいる。

出所:SHRM “Indian Companies Make ‘Remarkable Transformation’ with I&D”
www.shrm.org/topics-tools/employment-law-compliance/indian-companies-make-remarkable-transformation-with-id

日系企業が取るべき“現実的”DEIの処方箋

アメリカに拠点を持つ日系企業もまた、政治的な配慮を要する環境下で、次のような“実務志向”のDEIへと舵を切るべきである。

1. 「多様性」ではなく「公平性のある機会提供」にフォーカスする

「DEI」というワードを表に出すことなく、スキルベース採用やバイアス除去の仕組みを裏方で機能させることは十分可能である。採用評価シートの見直し、性別や出自に関係ない昇進基準の明確化などは、アメリカでも合法的かつ効果的な対応策である。

2. インクルージョン教育は“文化づくり”と認識する

バイアス研修を「人権意識向上の場」と捉えると、政治的誤解を招くおそれがある。しかし「部下の能力を引き出すマネジメント研修」と位置づければ、DEIと気づかれずにインクルージョン文化を育てることができる。

3. 小さな成功体験を積み重ねる

いきなり制度を作る必要はない。LGBTQ+のインターン採用を一例導入してみる。障がい者の業務マニュアルを整える。育休からの復職を支援する制度を1名から試す。こうした“DEI的であるがDEIとは言わない”アプローチが、現場と本社の温度差を埋める鍵となる。

法的リスクを回避しながらDEIを進めるための具体策

現在のアメリカでは、DEI施策に対する法的なリスクが高まっている。企業が法的リスクを回避しながらDEIを推進するためには、以下のような具体策が有効である。

  1. スキルベースの採用と昇進
    候補者のスキルや経験に基づく評価を重視し、特定の属性に基づく優遇措置を避けることで、法的リスクを軽減できる。

  2. 包括的な職場文化の醸成
    多様なバックグラウンドを持つ従業員が安心して働ける環境を整えることで、自然な形で多様性を促進できる。

  3. 法的な専門家との連携
    DEI施策が現行の法律に適合しているかを定期的に確認し、必要に応じて調整を行うことで、法的リスクを最小限に抑えることができる。

政治リスクを避けつつ、人を活かす

アメリカでは今後、州ごとの規制格差も広がる可能性がある。そうした環境下において日系企業に求められるのは、「社会的トレンド」ではなく、「経営上必要な戦略」としてDEIを再定義する姿勢である。

DEIとは、「誰かを優遇する制度」ではなく、「すべての人が能力を発揮できる環境をつくる仕組み」である。インド企業のように、静かに、着実に、価値ある多様性を育てていくことが、これからの日系企業にとっての現実的な道である。
▼写真の出所
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アメリカ人事 | 関税不況時代にレイオフは処方箋か?~Saks Globalが約450名レイオフ~

 

アメリカ人事 | 関税不況時代にレイオフは処方箋か?~Saks Globalが約450名レイオフ~

― Saks Globalの事例から考える、雇用を守る経営戦略

2025年4月、Saks Globalがテネシー州にある物流センターを閉鎖し、約450名をレイオフすると報じられた。このニュースは、単なる一企業の構造改革ではなく、アメリカの百貨店業界全体が直面している経営課題を象徴する出来事として注目に値する。

背景にあるのは、トランプ政権下で再導入された中国からの輸入品に対する関税(タリフ)である。Moody’sの分析によれば、こうした関税措置は百貨店業界の税引前利益(EBIT)を10%押し下げる見通しだとされており、特にSaksやKohl’sといった中価格帯から高価格帯を扱う企業が影響を受けやすいとされている。

しかし、ここで問いたいのは、「レイオフは本当に最善の対策なのか?」という点である。

短期的コスト削減と引き換えに失うもの

確かにレイオフは即時的なコスト削減策であり、財務的な応急処置としては一定の効果を持つ。しかしSaksのようにラグジュアリーブランドとしての顧客体験を重視する企業にとって、従業員は単なる労働力ではない。彼らはブランドの顔であり、接客やスタイリングを通じて顧客と感情的な関係を築く存在である。彼らを一斉に削減することは、ブランドへの信頼喪失やサービスの質の低下を招き、結果的に売上減少につながるリスクがある。

雇用を守る3つの代替案

レイオフ以外にも、企業が取るべき選択肢は存在する。以下にその一部を示す。

1.ベンダーとの協調的再交渉

報道によれば、Saksは支払いの遅延や強引な条件変更によってサプライヤーの信頼を失っている。これに代わり、誠実な情報開示と双方向の交渉に基づいた協調的なコスト見直しを行えば、関係性を維持しながらコスト調整が可能である。

2.短時間勤務や一時的休業(furlough)の活用

需要が一時的に落ち込んでいる場合、レイオフではなく短時間勤務制度や無給休暇制度の導入により、人材を維持したまま一時的な支出削減を行うことができる。特に一部の州では、こうした制度に対する助成金や失業保険の支援も受けられる。

3.物流・販売戦略の再設計

関税の影響を受けにくい販路や商品の見直し、あるいはeコマースや店舗受け取り(BOPIS)などのオムニチャネル強化により、物流センター閉鎖の影響を最小限に抑える戦略も考えられる。業務の単純な縮小ではなく、「再設計」こそが必要だ。

人を守る経営が、企業価値を守る

経営が厳しくなったときこそ、その企業の「本質」が問われる。単純にコストを削減するのではなく、従業員・サプライヤー・顧客との信頼関係を守りながら、どのように柔軟に戦略を組み替えていくかが重要である。

レイオフは確かに短期的には有効な手段かもしれない。しかし、それは最後の選択肢であるべきだ。いま問われているのは、「どう削るか」ではなく、「どう守るか」なのではないだろうか?

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アメリカ人事【雇用主が節約するための具体的な施策】

アメリカ人事【雇用主が節約するための具体的な施策】

1. FSA(Flexible Spending Account)やHSA(Health Savings Account)の活用を促進する

  • 社員が税引き前の給与を医療目的に使えるようにする制度を導入・推進することで、雇用主・従業員双方に税制上のメリットが生まれます。

    • 雇用主側は、FICA(社会保障税とメディケア税)の課税対象となる給与総額が減少するため、雇用主負担の税金も減ることになります。

    • 例えば、1人あたり$2,500をFSAに拠出した場合、約7.65%(FICA相当)の雇用主負担が節約可能 → 年間で約$191の節税になります。

2. FSAの「未使用資金の没収(forfeiture)」を抑える

  • 多くの従業員がFSAの「使いきりルール(use-it-or-lose-it)」を理解しておらず、資金を使い残して雇用主に戻ってくることがあります。

  • これは一見、雇用主にとっては利益のように見えますが、制度自体の利用が進まないと、全体としての節税効果が薄れるため、

    • 社員に「FSAで何が買えるか」について定期的に教育・周知する(例:年末に「使い忘れ防止」メールを送る)

    • FSA Storeなどの対象商品リンクを社内イントラで紹介

    • 社内ワークショップやウェビナーでHSA/FSAの使い方を解説
      などの啓発活動を行うことで、利用率が高まり、全体としての税制メリットが最大化します。

3. HSAの導入を検討する(特に中長期的なコスト削減に有効)

  • HSAは従業員にとって高額医療費の備えとして貯蓄できる制度であり、かつ未使用分を翌年以降も繰り越し可能であるため人気があります。

  • 高控除額型プラン(High-Deductible Health Plan:HDHP)とセットで提供することで、保険料自体を抑えることも可能です。

    • 雇用主にとっては、医療保険の企業負担分の圧縮につながる可能性があります。

4. 従業員がFSA/HSA対象商品を最大限に活用できるようにする

  • 提携ドラッグストアやオンラインショップ(例:FSA Store、AmazonのFSA/HSAセクション)へのアクセスを案内し、従業員が簡単に対象商品を把握できる仕組みを提供します。

  • 対象商品例:日焼け止め、救急箱、月経ケア用品、眼鏡、風邪薬、乳児用品など → 「意外と使える」ものが多いことを知ってもらう


【まとめ】

FSAやHSAは、従業員の福利厚生の質を高めながら雇用主の税負担を減らすことができる有効な制度です。ただし、制度の「使い残し」や「利用の誤解」により十分に活用されていないことが多いため、

「正しく使ってもらうことで、会社全体として税制上の節約が最大化する」

という視点で、教育・周知・制度設計の見直しを進めることが、最大の節約策となります。

▼参考記事
Billions of pretax healthcare funds go to waste each year. Retailers want to cash in.
https://www.retaildive.com/news/fsa-hsa-healthcare-shopper-awareness-beauty-retail-wellness/745339/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202025-04-21%20Retail%20Dive%20Newsletter%20%5Bissue:72411%5D&utm_term=Retail%20Dive

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2025.04.19

アメリカ人事 | なぜあの会社は儲かっているのか?TSMC編

アメリカ人事 | なぜあの会社は儲かっているのか?TSMC編

経営者の悩みの75%はお金と人の問題と言われます。アメリカ人事ではビジョンを達成するための人材投資とそれを可能にするお金の流れを創り出すことが成功の鍵ではないでしょうか?

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【TSMCとはどんな会社か?】
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company/台湾積体電路製造股份有限公司)は、1987年に設立された世界最大の半導体受託製造(ファウンドリ)専業企業です。
Apple、NVIDIA、AMDなどの顧客が設計した最先端チップを、TSMCが自社の工場で製造する「製造専門業者」として知られています。自社ブランド製品は持たず、技術力と設備投資によって競争優位を築いています。

【2025年第1四半期の業績ハイライト】

・売上高(Revenue):255億ドル(前年同期比35パーセント増)
・粗利益(Gross Profit):140億ドル(粗利益率55.6パーセント)
 → 材料費や製造原価を差し引いた利益であり、非常に高水準です。これは、TSMCの高度な設備投資と製造技術力によるコスト競争力の高さを示しています。

・営業利益(Operating Profit):110億ドル(営業利益率約43パーセント)
 → 粗利益から研究開発費や販売管理費を差し引いた利益です。巨額のR&D支出がありながらも高い営業利益率を維持しています。

・経常利益/純利益(Net Income):110億ドル(純利益率約43パーセント)
 → 営業外収益や税引後の最終利益で、営業利益と同水準にあることから、財務体質が極めて健全であることがわかります。

【成長の背景と要因】

・売上の59パーセントがHPC(高性能コンピューティング、AI関連)に関係するチップからの収益で構成されており、前年同期の46パーセントから大幅に拡大しています。
・先進ノード(3ナノメートル、5ナノメートル、7ナノメートル)の売上比率は全体の73パーセントを占めており、そのうち3ナノメートル単体で22パーセントに達しています。
・AIチップ向けに必要とされる高密度パッケージング技術であるCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)への需要が急増しており、TSMCはその生産能力を倍増させる計画を進めています。

【今後の見通しと投資戦略】

・2025年第2四半期の売上高予測は288億ドルと、さらなる成長が見込まれています。
・2025年の設備投資額は380億ドルから420億ドルの見通しであり、米国での新工場(アリゾナ)や先端パッケージング施設などに積極的に投資しています。
・このような設備投資は、AI関連製品の需要増や地政学的リスクの分散、そして世界中の顧客への安定供給体制の確立を目的としています。

【まとめ】

TSMCは、世界の半導体製造の中心的存在であり、スマートフォンやAI、車載システムなど、今後も成長が見込まれる分野を支える重要な企業です。
粗利益率、営業利益率、純利益率のいずれも非常に高く、財務的な安定性と高い技術力を兼ね備えた企業です。特にAI市場の拡大を背景に、今後も持続的な成長が期待されています。

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2025.04.17

アメリカ人事 | 65歳で健康保険打ち切り?年齢差別と企業の責任

アメリカ人事 | 65歳で健康保険打ち切り?年齢差別と企業の責任

年齢による差別は、アメリカでは明確に違法である。にもかかわらず、「65歳になったら退職」「65歳以上はメディケアを使えばよい」という考えが、無意識のうちに人事慣行に染みついていないだろうか。

2025年4月10日、映画館チェーンのAllen Theatres社が、高齢従業員への差別を理由とするEEOC(米国雇用機会均等委員会)の訴訟で25万ドルの和解金を支払うことが発表された(EEOC v. Allen Theatres)。
同社は、73歳の長年勤務していたマネージャーに対し、COVID-19後の再開時に復職を認めず、また65歳になった従業員の健康保険の提供を停止し、メディケアへの移行を当然視していたという。さらには、65歳以上の従業員への給与も低く設定されていた。

“It violates federal anti-discrimination law for managers or any corporate officers to force workers over the age of 40 to involuntarily retire because of their age.”
― Mary Jo O’Neill, EEOC
出典:https://www.hrdive.com/news/theater-chain-settles-lawsuit-alleging-it-halted-workers-health-insurance/745424/

人事担当者への示唆:年齢に基づく制度運用の見直しを

・年齢による福利厚生の制限は原則NG
65歳以上になった従業員に対し、「メディケアがあるから」として企業の健康保険の提供を打ち切ることは、年齢差別(ADEA違反)に該当するリスクが高い。福利厚生制度は全従業員に平等に提供すべきである。

・例外:従業員が20名未満の企業はMedicareがPrimary
ただし、従業員が20名未満の会社では、MedicareがPrimary(主たる保険)となり、会社のグループ保険はSecondary扱いとなる。この場合、従業員が本人の意思でグループ保険を辞退し、Medicareのみを利用することは合法的に認められている。重要なのは、会社が辞退を強制しないことである。

・「普通の退職年齢」は通用しない
ADEA(Age Discrimination in Employment Act)は、40歳以上の従業員に対する雇用・解雇・待遇の差別を禁じている。「もう年だから辞めてもらう」という発言や対応は明確な違法行為となる。

・年齢差別防止研修が求められる時代
Allen Theatresは今後、全社員に対してEEO(平等雇用機会)研修を毎年実施する義務を負う。特に管理職や人事部門には年間5時間の差別防止研修が義務付けられた。これは他社にとっても重要なベンチマークである。

補足:MedicareとGroup HealthのPrimary/Secondaryルールの概要

雇用主の規模 Medicareの扱い Group Healthの扱い
20名未満 Primary(主) Secondary(補助)
20名以上 Secondary(補助) Primary(主)

アメリカでは、「高齢=退職」「メディケアで十分」という発想そのものが時代遅れであり、法律違反である可能性がある。今後ますます進む高齢化社会において、年齢に関わらず働ける環境づくりこそが、企業の持続可能性を左右する大きな鍵となるだろう。

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アメリカ人事|年収10万ドルはもはや「成功の証」ではない

アメリカ人事|年収10万ドルはもはや「成功の証」ではない

かつてアメリカにおいて「10万ドル」は、経済的安定と成功を象徴する年収の“マジックナンバー”とされてきた。だが、その神話はもはや通用しない現実が、HR領域においても無視できなくなっている。

Lending Treeが発表した最新のレポートによると、全米の主要都市圏のうち25地域において、年収10万ドルでは3人家族の基本的な生活費をまかないきれないことが明らかになった。たとえば、カリフォルニア州サンノゼでは、家賃、育児費、交通費などを含めた基本的支出を差し引いた後、毎月2,207ドルの赤字になるという。
このレポートでは、負債返済などを含めれば、実際に赤字となる都市はさらに増える可能性があると指摘されている。

“For generations of Americans, $100,000 has long been a magic number... However, that has changed dramatically in many of the nation’s biggest metros.”
― Lending Tree Report
出典:https://www.hrdive.com/news/100k-isnt-a-high-enough-salary-for-a-family/745597/

また、米国労働者の73%が「生活費以外の支出が困難」と感じており、12%は「生活必需品すら常に賄えない」と回答したという調査(Resume Now社、2025年1月)もある。さらにZety社の調査(2025年2月)では、半数の労働者が「現在の収入では家庭を持つ、あるいは家族を増やすことができない」と感じており、40%が「老後資金を貯められない」と回答している。


人事担当者への示唆

給与設計は“額面”ではなく“実質価値”で
都市部では、従業員が生活コストの高さに直面しており、給与の絶対額よりも「生活実感」に焦点を当てた設計が求められる。

福利厚生の再定義が急務
給与に加えて、住宅補助、育児支援、通勤費補助など「実質的な負担軽減」策の拡充は、リテンションにも直結する。

採用メッセージも現実に即した訴求を
「競争力ある給与」だけでは響かない。地域の生活コストに応じた説明や、長期的な安定を見据えた支援の提示が重要である。


給与水準に対する従業員の期待と、実際の生活とのギャップが拡大する中、HRが果たすべき役割も変化している。「10万ドル=安心」という幻想を超えた現実志向の報酬戦略が、今後ますます求められていくだろう。

 

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2025.04.16

アメリカ人事「静かな崩壊」が日本企業をむしばむ──目に見えない離職予備軍への処方箋

アメリカ人事「静かな崩壊」が日本企業をむしばむ──目に見えない離職予備軍への処方箋


ここ数年、「静かな退職(Quiet Quitting)」や「リスキリング」「ウェルビーイング」など、働き方や職場意識に関する新たな用語がアメリカから日本に次々と上陸している。そして今、注目すべき新たなキーワードが登場した――「静かな崩壊(Quiet Cracking)」である。

この言葉は、米国の人材開発企業TalentLMSによって報告されたもので、従業員が表向きは就業を継続しているものの、心の中では仕事に対するモチベーションを失い、生産性が低下し、ひそかに退職を検討している状態を指す。

日本企業においても、「辞めるとは言っていないが、心はすでに離れている」従業員が存在しているのではないか。これは単なるエンゲージメントの低下ではなく、組織の根幹を脅かす“静かな危機”である。

背景にあるのは「学ばない組織」と「聞かない上司」

アメリカの調査によれば、「研修や教育機会を過去1年間受けていない従業員」は、自身の仕事に対して不安を抱く可能性が140%も高まるという結果が出ている。これは日本においても同様である。かつてのOJT(On the Job Training)任せの風土では通用しなくなり、スキルアップの機会を与えないことが、本人の自信喪失と離職意識を加速させる時代となった。

また、日本企業で根深い問題となっているのが「上司との断絶」である。TalentLMSの調査では、「上司が自分の声を聞いていない」と感じている従業員の割合が47%にも達しており、日本でも上司からの一方的な指示命令に従うだけの職場環境では、心理的安全性が育まれない。

「頑張らない若者」ではなく、「壊れかけた職場」に目を向けるべき

若手社員が積極的に手を挙げない、意見を出さない、主体的に動かない──こうした声を耳にすることは多い。しかし、それを「最近の若者は受け身だ」と一方的に片づけることは危険である。その背後に、すでに“静かな崩壊”が始まっている可能性があるからだ。

たとえば、リモートワークの導入により上司との接点が激減した中で、誰にも悩みを相談できない若手社員。過剰な成果主義の中で、フィードバックもなく努力が報われないと感じる中堅社員。こうした日々の積み重ねが、目に見えないかたちで退職予備軍を増やしている。

処方箋は「育成の再設計」と「対話の再構築」

では、日本企業はこの「静かな崩壊」にどう立ち向かうべきか。TalentLMSのCEOであるニキル・アローラ氏は、「人は立ち止まり、声を聞いてもらえず、将来に希望が持てなくなるときに、静かに崩れていく」と述べている。

日本企業においても、定期的な1on1ミーティングやキャリア面談の導入、社内メンター制度の見直し、リスキリング機会の提供といった育成の再設計が急務である。また、管理職層に対する「傾聴トレーニング」や「心理的安全性」に関する研修も重要となる。

「辞めたい」と言い出す前に、「壊れかけている」サインを見逃さない。人事の目利き力が、これからの組織の持続性を左右する時代である。

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2025.04.14

アメリカ人事|オラクル、販売員の歩合給をめぐる10年越しの訴訟で1,550万ドルの和解へ

アメリカ人事|オラクル、販売員の歩合給をめぐる10年越しの訴訟で1,550万ドルの和解へ ― カリフォルニア州の賃金法違反を原告が主張

オラクルは、同社がカリフォルニア州の歩合制営業社員に対して州の賃金法に違反したとして、元社員2名が提起した訴訟について、1,550万ドル(約23億円)の和解に合意したと、原告側の弁護士が水曜日に発表しました。

Abrishamcar v. Oracle America, Inc.」の原告は、2015年にカリフォルニア州私的検察官法(PAGA)に基づき訴訟を提起し、オラクルの歩合賃金ポリシーが州の労働法規に違反しており、獲得済みの歩合賃金を違法に控除していたと主張しました。加えて、すべての獲得賃金を支払わなかったこと、不正確な賃金明細の提供、違法な機密保持契約の強要も訴えの対象となっていました。

原告は、カリフォルニア州サンマテオ郡の高等裁判所に対し、和解案の承認を求める申し立てを行っています。HR Diveが入手した和解文書によれば、オラクルは訴状に記載された全ての主張、責任、違法行為を否定しています。

洞察:
オラクルを相手取ったこの訴訟は約10年にわたって続いており、今回の和解案によって5,000人以上の現・元社員に対し、罰則金の支払いがなされる見込みです(原告側の声明による)。

訴状によると、オラクルは歩合制営業社員に対し、雇用開始時に署名済みの歩合契約書を提供しておらず、カリフォルニア州法で義務付けられているタイミングで提供も署名も行われませんでした。さらに、歩合の計算方法や支払方法についても明記されていなかったとされています。

また、オラクルは事業コストを社員に転嫁する目的で、歩合賃金から違法に控除する権利を保持していたとも主張されています。その結果、原告らに対しては、稼得賃金の総額を明示した正確な明細書が提供されなかったとされています。

「この和解は、何年もの歳月をかけてこの結果を得るために尽力してくださった依頼人の献身の証です」と、原告側の共同主任弁護士であるValerian Lawの代表弁護士、シンイン・バレリアン氏は述べました。

この訴訟は、PAGA(カリフォルニア州私的検察官法)に基づいて提起されました。PAGAは、社員が自分自身や他の現・元社員を代表して民事制裁金の回収を求める訴訟を提起できる州法です。法律事務所Duane Morrisによる分析によれば、2004年の施行以来、PAGAに基づく訴訟の件数は年々増加しており、2024年には2023年に比べて約22%の増加が見られたとのことです。

▼出所:
https://www.hrdive.com/news/oracle-settles-california-paga-pay-dispute/745197/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202025-04-14%20Compliance%20Weekly%20%5Bissue:72217%5D&utm_term=HR%20Dive:%20Compliance

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2025.04.13

アメリカ人事 | ドジャースに学ぶ、インクルーシブで高成果なチーム文化のつくり方

アメリカ人事 | ドジャースに学ぶ、インクルーシブで高成果なチーム文化のつくり方

HRの世界では、「インクルーシブ(包括的)で協働的、そして高い成果を上げる文化づくり」がよく語られる。しかし、その理想的な事例は、会議室よりも球場で見つかるかもしれない。MLB(メジャーリーグベースボール)で最も成功し、先進的な球団のひとつであるロサンゼルス・ドジャースは、スポーツの枠を超えて、組織文化における貴重なヒントを私たちに提供してくれる。

最近話題になったのは、二度のサイ・ヤング賞を受賞したブレイク・スネル投手と、ルーキーの佐々木朗希投手との間で交わされた長い会話。試合中にもかかわらず、スネルは熱心に佐々木に話しかけ、佐々木も真剣に質問を返していた模様。メジャーリーグのような実力主義と階層が強い環境で、こうした垣根のないやりとりは異例とも言えるという。

HRの視点から見ると、これはまさに「心理的安全性(Psychological Safety)」の現れではないかと思われる。新人が遠慮なく質問でき、ベテランが自然体で知識を共有できる職場環境。高い成果を求めながらも、お互いの成長を支え合う文化が根づいているのではないだろうか。

さらに注目すべきは、ドジャースが多国籍チームとしての包摂力を体現していること。大谷翔平選手や山本由伸投手、そして佐々木投手など、日本からの選手を数多く迎える中で、言語や国籍の違いが壁にならない工夫がされている。通訳のサポートやピア・メンタリング(仲間による指導)、そして明確な目的意識の共有が、見事にそれを乗り越えさせているのが分かる。

チームメイト同士の信頼感も際立っている。たとえばテオスカー・ヘルナンデス選手やアンディ・パヘ選手は、佐々木投手の失点を防ぐような守備でチームを救った。これは単なる個人技ではなく、仲間を思いやる心や連携があってこそのプレー。HR担当者としては、どの職場でも実現したい理想のチームワークではないだろうか。

ドジャースは、単なる野球チームではなく、「インクルーシブなリーダーシップ」「自発的なメンタリング」「チームベースの成果主義」を備えた、理想の組織文化を体現しているとも言える。人と組織の両方を高めたいと願う人事リーダーにとって、ドジャースタジアムには多くの学びがある。

▼関連コメント&動画

Roki Sasaki sitting next to Blake Snell and actively talking to him really struck me.
https://www.reddit.com/r/Dodgers/comments/1jv62a4/roki_sasaki_sitting_next_to_blake_snell_and/?utm_source=share&utm_medium=web3x&utm_name=web3xcss&utm_term=1&utm_content=share_button

 ▼RokiがSnellとベンチで話している姿

https://youtu.be/L44NG2dICVw?si=D-HvP6_mJBOXmTyE

 



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#アメリカ人事 #アメリカ #人事 #HR #ドジャース #大谷翔平 #佐々木朗希 #山本由伸

 

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