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October 2025

2025.10.30

アメリカ人事 |Amazonの発表から考える:自社でできる“未来への投資”とは?

アメリカ人事 |Amazonの発表から考える:自社でできる“未来への投資”とは?

Amazonが10月23日に発表した「Future Ready 2030」―25億ドルを投じる大規模なアップスキリング(技能向上)投資が話題になっています。

https://www.hrdive.com/news/amazon-announces-25b-upskilling-initiative/804242/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Issue:%202025-10-30%20HR%20Dive:%20Talent%20%5Bissue:78342%5D&utm_term=HR%20Dive:%20Talent

さらに、米国の全給与社員を対象に「Career Choice」プログラム(需要の高い分野の学位・資格取得支援)を拡大するとのことです。

ところが、そのわずか数日後、Amazonは14,000人の人員削減を発表しました。

この“同時発表”が象徴するのは、AIによる急速な変化に対応するための「再教育」と「リスキリング(再訓練)」の重要性です。

AIが業務を変革するスピードは想像以上に早く、企業は「今あるスキルを活かす」だけでなく、「次に必要なスキルを先に育てる」戦略が求められています。

Amazonのような巨大企業だけでなく、中小企業や店舗単位のビジネスにも同じ波が来ています。

では、私たちのような企業が“今”できることは何でしょうか?

■社内スキルマップを作る

どの業務がAI・自動化の影響を受けるか、誰がどのスキルを持っているかを見える化する。

■「学ぶ時間」を制度化する

週1時間でも構いません。社員が新しいツールを試したり、AIを学んだりする時間を業務時間内に確保する。

■外部リソースを活用する

無料オンライン講座(Coursera、LinkedIn Learningなど)を共有し、少しずつ“自社のAIリテラシー”を底上げする。

■「人が活きる分野」を再定義する

クリエイティブ、顧客対応、マネジメント、信頼構築など、“AIに代替されにくい価値”を再確認する。

AIが働き方を変えるなら、私たちは“学び方”を変える。

リストラや効率化の裏で、社員が「学び続ける文化」を持つ企業だけが、未来に強くなる。

あなたの会社では、どんな「Future Ready 2030」を始めますか?

#HR #アップスキリング #リスキリング #AI人材育成 #組織開発 #人事戦略

 

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#アメリカ人事 #アメリカ #人事 #HR

 

 ▼写真の出所

https://unsplash.com/ja/@gettyimages

 

 

2025.10.29

アメリカ人事 | 最低サラリー年収$122,573.13以上に カリフォルニア州 Computer Exempt

アメリカ人事 | 最低サラリー年収$122,573.13以上に カリフォルニア州 Computer Exempt

▼出所

https://www.dir.ca.gov/oprl/ComputerSoftware.htm

カリフォルニア州「コンピューター・ソフトウェア従事者」残業代適用除外ガイド

(California Labor Code Section 515.5 および Industrial Welfare Commission Wage Orders に基づく)

  1. Exempt(残業代の対象外)になるための条件

カリフォルニア州では、すべての従業員は基本的に残業代(Overtime Pay)の対象です。
ただし、特定の専門職に限って、一定の条件を満たす場合に「Exempt(残業代の対象外)」として扱うことができます。
そのひとつが「コンピューター・ソフトウェア従事者(Computer Software Professional)」です。

Exemptになるためには、職務の内容(Duties要件)給与の額(Compensation要件)の両方を満たす必要があります。

  1. 職務内容(Duties)要件

次の条件をすべて満たしている必要があります。

  1. 知的で創造的な業務に主として従事していること。
    • 自分の判断や専門的な裁量をもって仕事を進める立場であることが求められます。
  2. 高度な専門知識や技能を持っており、実務経験を通じて習得していること。
    • 初級者向けの単純作業ではなく、専門性の高い分野に該当します。
  3. 以下のような業務のいずれかに主として従事していること。
    • システム分析(Systems Analysis)やユーザー要件の分析
    • ソフトウェアやシステムの設計(Design)、開発(Development)、文書化(Documentation)、解析(Analysis)、テスト(Testing)
    • オペレーティング・システム(Operating System)などのシステムレベルの設計・開発・テスト
  1. Exemptの対象外となるケース(Non-Exempt

以下のような仕事は、このExemptの対象にはなりません。

  • ハードウェア(Hardware)の製造・修理・保守が中心の業務
  • 運用監視(Operations Monitoring)ヘルプデスク(Help Desk)などのサポート業務
  • ネットワーク機器(Network Equipment)の設定・保守が主な業務
  • 初級エンジニアや研修中の従業員など、専門知識が十分でない場合
  1. 給与(Compensation)要件

Exemptとするには、給与が法律で定められた最低金額以上である必要があります。
この金額は毎年1月1日に改定されます。

2025年(202511日~)

  • 時給(Hourly Rate):56.97ドル以上
  • 月給(Monthly Salary):9,888.13ドル以上
  • 年収(Annual Salary):118,657.43ドル以上

2026年(202611日~)

  • 時給:58.85ドル以上
  • 月給:10,214.44ドル以上
  • 年収:122,573.13ドル以上
    (消費者物価指数 Consumer Price Index の上昇に基づき3.3%引き上げ)
  1. 重要な注意点
  1. 職務要件と給与要件の両方を満たさなければExemptにはなりません。
    どちらか一方でも不足していると「Non-Exempt(残業代支払い対象)」になります。
  2. 肩書(Title)だけでは判断されません。
    実際の仕事の内容(Actual Duties)に基づいて判断されます。
  3. 時給制(Hourly)でExemptにする場合は、すべての労働時間について最低時給額を超える支払いが必要です。
    月給制(Salary)の場合は、毎月最低金額を超える給与が必要です。
  4. Exemptにすると、残業代(Overtime Pay)・休憩手当(Meal and Rest Break Premium)・報告手当(Reporting Time Pay)などが適用されなくなります。
    誤って分類すると法的リスク(Misclassification Risk)が非常に高くなるため、定期的な職務確認(Job Audit)が重要です。
  1. 連邦法(Federal Law)との違い

連邦の「Fair Labor Standards Act(公正労働基準法)」にも同様の「Computer Employee Exemption」がありますが、
連邦では時給27.63ドル以上で要件を満たせばExempt扱いにできます。
ただし、カリフォルニア州の方が厳しい基準を採用しているため、
カリフォルニアのルール(州法)が優先されます

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2025.10.26

アメリカ人事 | 採用面接で、「現在の給与はいくらですか?」と質問してはいけないのはなぜですか?

アメリカ人事 | 採用面接で、「現在の給与はいくらですか?」と質問してはいけないのはなぜですか?

過去の給与履歴を質問してはいけない州が増えています。

▼下記の情報では現在22州で過去の給与履歴を質問することが禁止されています。

https://www.hrdive.com/news/salary-history-ban-states-list/516662/

この背景には男女、人種間の賃金格差があります。

▼Department of Laborによると全体では男性1の給与とした場合、女性は0.83と出ています。

https://www.dol.gov/agencies/wb/data/earnings/wage-gap-race-occupation

そこで、過去の給与履歴を質問することで、過去の給与を元に次の仕事の給与が決められてしまうといつまで経っても賃金格差が縮まらないという論理です。

そして同時に進んでいるのはPay Transparency Act(給与の透明性)です。

▼少なくとも10の州で給与透明性法が施行されています。

https://www.oysterhr.com/library/pay-transparency-laws

州によってルールにバラツキはありますが、基本的には採用する際に仕事ごとの給与レンジを公開する必要があります。

給与レンジを仕事ごとに公開することで、男女、人種間の賃金格差を縮めようということです。

仕事ごとに給与レンジを決めるということは、Job Descriptionごとに給与レンジを設定することを意味します。

言ってみれば、日本のジョブ型とは目的や背景が異なるものの、ジョブ型に近い考え方で賃金を整備することを法律的に求める州が増えていると言えます。

アメリカのジョブ型は賃金格差とは切っても切れない関係にあります。

#アメリカ人事 #賃金格差 #ジョブ型

 

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2025.10.08

アメリカ人事 | 10/31/2025〆切り【LA郡の補助金情報】移民取締りの影響を受けた事業者に最大5,000ドルの支援

アメリカ人事 | 10/31/2025〆切り【LA郡の補助金情報】移民取締りの影響を受けた事業者に最大5,000ドルの支援

概要


応募期間と方式


支援金の用途例

助成金は次のような用途に使うことが認められています:


応募対象(適格要件)

支援を受けるには以下のような条件を満たす必要があります:

  1. 地理的要件
     - 事業の本拠地がカリフォルニア州内で、かつロサンゼルス郡内で営業していること。 Department of Economic Opportunity+1
     - 2025年6月1日以前から営業していること。 Department of Economic Opportunity

  2. 収入制限
     - 2024年の総収入(gross revenue)が 6百万ドル以下 であること。 Department of Economic Opportunity

  3. 事業規模・形態
     - 従業員数:100人未満 Department of Economic Opportunity
     - 実店舗、独立契約者、路上販売業者など、物理的な営業形態であること。 Department of Economic Opportunity
     - 所有および経営の主体が申請者本人であること。 Department of Economic Opportunity
     - 営業状態が良好であること(法的に問題なく運営されていること)。 Department of Economic Opportunity

  4. 移民執行の影響
     - 2025年6月6日以降に、移民取締りの影響で
      ・人手不足
      ・営業時間短縮または一時閉店
      ・売上減少
      ・暴動・抗議活動による建物被害
      といった被害を受けたことを示す必要があります。 Department of Economic Opportunity+2Department of Economic Opportunity+2

  5. 除外対象(不適格な事業)
     - 非営利団体、宗教団体
     - 法律・会計・不動産などのプロフェッショナルサービス業
     - フランチャイズ運営企業(持株型など)
     - ギャンブル業、貸金業、武器販売業など規制対象の業種
     - 暫定的な営業所、シェアオフィスのみで運営する事業 など Department of Economic Opportunity


申請時に必要な書類・証明

申請者は以下のような書類を提出する必要があります:


サポート・相談先

  • 提出書類などで困ったときは、 承認された地域支援団体(CBO:Community Based Organizations) の支援を受けられます。 Department of Economic Opportunity+1

  • 技術的な問題があれば、AidKit のサポートチーム(電話やメール)に問い合わせ可能。 Department of Economic Opportunity

  • また、申請手順の説明会(ウェビナー)が英語・スペイン語で予定されています。

写真の出所

https://unsplash.com/ja/@gettyimages

2025.10.02

アメリカ人事 | 米国で報酬制度を設計するときの注意点――JOBベースを土台に、スキル差をどう織り込むか

 

アメリカ人事 | 米国で報酬制度を設計するときの注意点――JOBベースを土台に、スキル差をどう織り込むか

日本では「スキル型報酬」への関心が高まっているが、米国で制度設計を行うときの土台は依然として職務(Job)に紐づくレンジである。もっとも、採用市場では需要スキルにプレミアムを払う動きが強まっており、両者をどう整合させるかが実務の要点になる。ロバート・ハーフの最新ガイドを踏まえた HR Dive の報道でも、84% の採用責任者が「需要スキルにより高い給与を提示する」と回答している。ここで語られているのは“スキルの重要性”であり、制度のベースが Job から Skill に置き換わるという話ではない点に留意が必要である。HR Dive+1

1. まず「どこで募集するか」を決める――掲示義務の中身が州・市で違う

米国は勤務地や募集対象によって、求人票に記載すべき情報が異なる。例えばカリフォルニアは求人票にペイスケールの明示を求め、さらに年次のペイ・データ・レポーティング(100名以上)も課している。ArentFox Schiff+1
コロラドは全ての求人掲示に報酬レンジと福利厚生等の情報を含めること、社内機会の周知と充足結果の開示までを求めるなど、要件が広い。CDLE+1
ワシントン州は15名以上の雇用主に対し、求人票へ賃金レンジ・福利厚生・その他の報酬(ボーナス・株式等)の記載を要求する。WA Labor & Industries+1
ニューヨーク市は善意の給与レンジの明示が義務である。州法としても 2023 年からレンジ表示を求めているため、NY 勤務を含む場合は双方のガイドに沿う必要がある。New York City Government+2New York City Government+2

実務ポイント:マルチステート採用では、最も厳しい要件を満たすテンプレートを用意しておく方が運用負荷が低い。

2. レンジは「Job × レベル」で設計する――スキルはレンジ内のレベルで織り込む

米国で透明性を担保するには、Job ごとの公開可能レンジが出発点である。スキル差は、同一 Job 内のレベル(例:I/II/III)やキャリアバンドで吸収するのが整合的である。需要スキル向けの“プレミアム”を払う発想自体は妥当だが、レンジ外払いを常態化させると、透明性法下で説明負担と監査リスクが高まる。HR Dive

実務ポイント:求人票・オファー・内部人事台帳のレンジ整合性を常時点検する。外れ値のオファーは事前承認・理由記録をルール化する(NYC では将来的にレンジ外オファー理由の保存義務を課す拡張案の議論もあるため、備えとして有効である)。New York Post

3. 記載義務の“抜け”に注意――福利厚生や「その他の報酬」も対象

ワシントン州やコロラドでは、**福利厚生・その他の報酬(ボーナス、コミッション、株式等)**の記載が求められる。給与レンジだけを出し、年次ボーナスや株式付与を別文書にしてしまう運用は不適合になり得る。WA Labor & Industries+2WA Labor & Industries+2

実務ポイント:テンプレートには現金報酬・変動報酬・株式・福利厚生の最低限記載項目を標準搭載する。

4. リモート求人の“州またぎ”適用を見落とさない

コロラドの透明性要件は、州外勤務でもコロラド従業員がいれば適用対象になる局面がある。募集地・就業地・雇用主の雇用実態を勘案した法適用判定フローを持つべきである。CDLE

実務ポイント:ATS(採用管理)に勤務地タグ適用法タグを持たせ、自動で正しい求人テンプレートを差し込む設計が望ましい。

5. 「説明責任の書類」を先に作る

レンジの根拠、レベル定義、プレミアム適用基準、内外均衡(市場データ/社内同種職)の整合性、レンジ外オファーの承認・理由記録――説明資料を雛形化しておく。CA のペイ・データ・レポーティングのように後から数字の整合性を問われる事態に備える。Civil Rights Department

実務ポイント:オファー作成時に**「根拠セット」**(市場データ引用、内外整合、DEI 影響の簡易チェック)を同梱する。

6. スキル・プレミアムは「制度内」で回す

需要スキル(AI/ML/データ等)への上乗せは、レンジ上限寄せまたは上位レベルでのオファーで対応するのが原則である。サインオン・ボーナスや RSU で外れ値を埋める設計は短期的には有効だが、継続的な内部公平性を損なう恐れがある。HR Dive

実務ポイント:プレミアムの優先適用順序(レベル→レンジ位置→変動報酬→一時金)をポリシー化する。

7. 「求人票の表現」も監査対象と捉える

NYC・WA などは“善意のレンジ”「求人掲示の定義」まで言及している。募集文言に交渉余地が大きすぎる記載や、実態と乖離した表現があると、透明性義務の趣旨に反する。New York City Government+1

実務ポイント法域別の言い回しチェックリストを持ち、ローカルレビューを経て公開する。

8. マルチステートは「年次アップデート」を既定運用にする

州規制は改定が続いており、年に一度の雛形総点検が必要である。CO や WA の運用ガイダンス更新、NYC の追加議論など、実務解釈の変化にも追随すべきである。CDLE+2WA Labor & Industries+2


まとめ:Job を土台に、Skill をレンジ内のレベルとレンジで可視化するのが定石

米国での報酬制度設計は、Job ベースのレンジを土台にし、その上で需要スキルの価値をレベル設計とレンジ内の位置づけで取り込むのが定石である。スキル重視の潮流は明確だが、透明性義務と監査可能性を考えると、制度外の“例外払い”に依存しない設計が望ましい。採用の現場では、スキル・プレミアムのニーズと、州・市ごとの掲示義務を同時に満たすテンプレートと運用ルールを先に用意しておくべきである。

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